n8nで始めるYouTube動画からブログ記事の自動生成|AIキュレーションサイトへの第一歩

リード文

新しい働き方を模索する中で、AI技術を活用した情報収集と発信は強力な武器になります。今回はn8nというノーコード自動化ツールを使って、YouTubeチャンネルを監視し、新しい動画が投稿されたら自動的にブログ記事を生成してWordPressに投稿する仕組みを構築してみました。プログラミングの知識がなくても、テンプレートを活用すれば誰でもキュレーションサイトを立ち上げられる時代が来ています。この記事では、実際に試してみて分かった導入手順や躓きポイントを詳しく解説します。

目次

  1. n8nとは?キュレーションサイト自動化の可能性
  2. 使用したテンプレートの概要と仕組み
  3. 実際の導入手順と設定のポイント
  4. YouTube Data APIの設定で躓いたポイント
  5. 日本語対応への道のりとカスタマイズの必要性
  6. まとめ:今後の展開と可能性

n8nとは?キュレーションサイト自動化の可能性

n8n(エヌエイトエヌ)は、様々なWebサービスやAPIをビジュアルに繋げてワークフローを自動化できるオープンソースのツールです。ZapierやMakeといった他の自動化ツールと似ていますが、n8nの大きな特徴は「セルフホストで無料利用が可能」「ノーコードとコードの両方に対応」という点にあります。note+3

n8nの主なメリット

n8nを選ぶメリットは大きく3つあります。

まず、視覚的なノードベースインターフェースにより、プログラミング知識がなくても複雑な処理を構築できます。各処理を「ノード」として表現し、それらを線で結んでワークフローを作成するため、全体の流れが一目で理解できます。with-yohaku+1

次に、200以上のサービスとの連携が可能で、Gmail、Slack、Google Sheets、WordPress、YouTube、OpenAIなど、ビジネスで使う主要なツールがほぼ全て揃っています。特にAI系のサービスとの連携が充実しており、記事生成やデータ分析など、AI時代に必要な自動化を実現できます。note+1

そして何より、セルフホスト版なら完全無料で利用できる点が魅力的です。クラウド版は有料プランになりますが、自分のサーバーにインストールすればワークフロー数や実行回数の制限なく使えます。relipasoft+2

キュレーションサイトへの応用

キュレーションサイトとは、特定のテーマに沿って情報を集めて整理・発信するサイトのことです。n8nを活用すれば、情報収集から記事作成、投稿までのプロセスを完全自動化できます。youtube​note

例えば、特定のYouTubeチャンネルや複数のRSSフィードを監視し、新しいコンテンツが投稿されたら自動的に内容を要約し、ブログ記事として整形してWordPressに投稿する、といった一連の流れを作ることができます。triggermind+1


使用したテンプレートの概要と仕組み

今回試したのは、n8nの公式テンプレートライブラリにある「Generate Blog Posts from YouTube Videos with OpenAI GPT for WordPress and Webflow」というワークフローです。

テンプレートの基本的な流れ

このテンプレートは以下のような処理フローで動作します。youtube+1​

YouTubeチャンネルのRSSフィードを監視し、新しい動画が投稿されたことを検知します。RSS Feed Triggerノードを使用することで、定期的にチャンネルをチェックし、新着動画があればワークフローが自動起動します。triggermind

次に、YouTube Data APIを使って動画の詳細情報を取得します。動画のタイトル、説明文、字幕(利用可能な場合)などのメタデータを収集し、記事作成のための素材とします。enhanced

そのデータをOpenAI APIに渡して記事本文を生成します。GPT-4やGPT-3.5といったモデルを使い、動画の内容を元にSEOを意識したブログ記事を自動作成します。プロンプトを調整することで、記事のトーンやスタイルをカスタマイズできます。fragments​youtube+1​

最後に、WordPress REST APIを使って記事を自動投稿します。タイトル、本文、カテゴリー、タグなどを設定し、下書きまたは公開状態で投稿できます。crowdworks+3

さらに、投稿が失敗した場合などにはSlackやメールで通知を送る機能も組み込まれており、運用時の監視も自動化されています。note

このテンプレートで学べること

このテンプレートを導入することで、以下のような技術要素を実践的に学べます。

  • YouTubeチャンネルIDの指定方法とRSSフィードの活用note+1
  • YouTube Data APIの認証と接続方法apidog+1
  • OpenAI APIの使い方とプロンプトエンジニアリングfragments
  • WordPress REST APIによる自動投稿の実装note+1
  • エラーハンドリングと通知の仕組みnote

実際の導入手順と設定のポイント

n8nでテンプレートを使い始めるまでの手順を、初心者でも分かるように解説します。

n8nアカウントの作成

まず、n8nの公式サイト(n8n.io)にアクセスし、アカウントを作成します。クラウド版は14日間の無料トライアルがあるので、まずはこちらで試すのがおすすめです。youtube​chatgpt-enterprise+1

アカウント作成後、ダッシュボードが表示されます。ここから新しいワークフローを作成したり、テンプレートをインポートしたりできます。youtube​

テンプレートのインポート方法

n8nのワークフローはJSON形式で保存されており、このファイルをインポートすることで他の人が作ったワークフローを自分の環境で使えます。note+1

インポートする手順は以下の通りです:youtube+1​

  1. n8nのワークフロー画面右上にあるメニューから「Import from File」または「Import from URL」を選択
  2. テンプレートのJSONファイルをアップロード、またはURLを入力
  3. インポートが完了すると、ワークフローがキャンバスに表示される
  4. 各ノードの設定を確認し、認証情報を追加する

テンプレートはそのままでは動かないことが多く、自分の環境に合わせて認証情報(APIキーなど)を設定する必要があります。note​youtube​

必要なAPIキーと認証情報の取得

このテンプレートを動かすには、以下の3つのAPIキーが必要です。

YouTube Data APIのAPIキーまたはOAuth認証情報は、Google Cloud Platformで取得します。詳しい手順は次のセクションで説明します。kitaka-web+1

OpenAI APIのAPIキーは、OpenAIの公式サイト(openai.com)から取得します。アカウントを作成し、API Keysページで新しいキーを発行すればOKです。利用には従量課金が発生するため、使用量の上限設定をしておくと安心です。036blog+1

WordPressへの接続には、Application Passwordを使った認証が必要です。WordPressの管理画面でユーザー設定を開き、アプリケーションパスワードを発行して、n8nの認証情報に登録します。blog-automation-lab+1

ノードごとの設定確認

インポートしたワークフローの各ノードを順番に確認していきます。youtube​

RSS Feed Triggerノードでは、監視したいYouTubeチャンネルのRSSフィードURLを設定します。フォーマットはhttps://www.youtube.com/feeds/videos.xml?channel_id=チャンネルIDです。チャンネルIDは、チャンネルページのソースコードから抽出するか、専用のツールを使って取得できます。hoshihara+2

YouTube APIノードでは、先ほど取得した認証情報を設定し、動画の詳細情報を取得するように構成します。enhanced

OpenAIノードでは、使用するモデル(GPT-4やGPT-3.5-turbo)を選択し、記事生成用のプロンプトを設定します。デフォルトでは英語で出力されるため、日本語記事を生成したい場合はプロンプトに「日本語で記事を書いてください」といった指示を追加する必要があります。note+2​youtube​

WordPressノードでは、投稿先のサイトURL、認証情報、投稿ステータス(下書きか公開か)などを設定します。note+1


YouTube Data APIの設定で躓いたポイント

実際に導入してみて、最も手間取ったのがYouTube Data APIの認証設定でした。

OAuth同意画面の設定

YouTube Data APIを使うには、Google Cloud Platform(GCP)でプロジェクトを作成し、APIを有効化する必要があります。apidog+1

手順としては、まずGCPのコンソールにアクセスし、新しいプロジェクトを作成します。次に「APIとサービス」から「ライブラリ」を開き、「YouTube Data API v3」を検索して有効化します。note+2

ここまでは比較的スムーズに進みますが、問題はOAuth認証の設定です。classmethod+1

OAuth同意画面を設定する際、「User Type」で「外部」を選択し、アプリ名やサポートメールを入力します。そして最も重要なのが、「テストユーザー」の登録です。sepapalab+2

テストユーザー登録の重要性

OAuth同意画面の設定で「対象」というセクションがあり、ここでテストユーザーとして自分のGoogleアカウントを登録する必要がありますnote+1

この設定を忘れると、n8nからYouTube APIに接続しようとした際に「アクセスがブロックされました」というエラーが表示され、認証が完了しません。note

具体的な手順は以下の通りです:note

  1. GCPの「APIとサービス」→「OAuth同意画面」を開く
  2. 右側のメニューから「対象」をクリック
  3. 「テストユーザーを追加」をクリック
  4. YouTubeにアクセスするGoogleアカウントのメールアドレスを入力
  5. 「保存」をクリック

この設定を行った後、再度n8nで「Sign in with Google」をクリックすると、正常に認証が完了します。note

OAuthクライアントIDの作成

テストユーザーの設定が済んだら、OAuthクライアントIDを作成します。note

GCPの「認証情報」画面で「認証情報を作成」→「OAuthクライアントID」を選択し、アプリケーションの種類で「Webアプリケーション」を選びます。classmethod+1

重要なのは「承認済みのリダイレクトURI」の設定です。ここにn8nが提供するOAuth Redirect URLを入力する必要があります。n8nの認証情報設定画面で「YouTube OAuth2 API」を選択すると、OAuth Redirect URLが表示されるので、これをコピーしてGCPに貼り付けます。note

クライアントIDとクライアントシークレットが発行されたら、これをn8nの認証情報に入力すれば接続完了です。note


日本語対応への道のりとカスタマイズの必要性

テンプレートを動かしてみて分かったのは、デフォルトでは全て英語で出力されるということです。note​youtube​

n8nのインターフェースは英語のみ

まず、n8n自体のユーザーインターフェースは基本的に英語です。2025年時点で、公式に日本語化されていません。chatgpt-enterprise+2

ただし、n8nの設定から言語を「日本語」に変更することはできますが、完全に日本語化されるわけではなく、一部のメニューやラベルが日本語になる程度です。note

より実用的なのは、Chromeなどのブラウザの翻訳機能を使うことです。ブラウザの翻訳を有効にすれば、画面上の英語表記が日本語に変換され、操作がしやすくなります。note+1

OpenAIのプロンプトを日本語化

より重要なのは、OpenAIで生成される記事を日本語にすることです。note+1

デフォルトのテンプレートでは、OpenAIに送るプロンプトが英語で書かれており、生成される記事も英語になります。これを日本語にするには、OpenAIノードのプロンプトを編集する必要があります。youtube​note+1

具体的には、プロンプトの最初に「日本語で記事を書いてください」や「以下の動画内容を日本語で要約し、ブログ記事を作成してください」といった指示を追加します。note+1

さらに、記事の構造や文体を細かく指定することも可能です。例えば:

textあなたは日本語のブログライターです。
以下のYouTube動画の内容を元に、日本語でSEOに最適化されたブログ記事を作成してください。

【記事の要件】
- タイトルは32文字以内で魅力的なものにする
- 導入文は150字程度で記事の概要を説明
- 見出しは3〜5個程度使用
- 各段落は3〜4文で簡潔にまとめる
- 専門用語には説明を付ける
- 文体は「です・ます」調で親しみやすく

動画タイトル:{{動画タイトル}}
動画説明:{{動画説明}}

このようにプロンプトを調整することで、自分のブログのトーンに合った記事を生成できます。note+1

段階的なカスタマイズの重要性

テンプレートを使い始める際は、まず最小限の設定で動かしてみることが重要です。qiita+1

最初から完璧を目指すと、どこでエラーが出ているのか分からなくなり、デバッグが困難になります。まずは英語のままでも良いので一通りの動作を確認し、その後で日本語化やカスタマイズを進めていくのが賢明です。note

n8nには「Execute Workflow」というテスト実行機能があり、各ノードの入出力を確認しながら動作をチェックできます。これを活用して、段階的に設定を調整していくことで、躓きポイントを特定しやすくなります。fragments+2​youtube​


まとめ:今後の展開と可能性

n8nを使ったYouTube動画からのブログ記事自動生成テンプレートを試してみて、以下のポイントが明らかになりました。

得られた知見

テンプレートを活用すれば、プログラミング知識がなくてもAIを使った自動化システムを構築できるという点が最大の発見でした。特にn8nのようなノーコードツールは、LLM無職として新しい働き方を模索する人にとって、強力な武器になります。note​youtube​

YouTube Data APIの設定、特にテストユーザーの登録が最大の躓きポイントであることが分かりました。この情報を知っているだけで、多くの初心者が直面するエラーを回避できます。classmethod+1

デフォルトでは英語出力なので、日本語対応のためのカスタマイズが必須です。ただし、これはプロンプトを調整するだけなので、一度設定すれば以降は自動的に日本語記事が生成されます。note+1

今後の発展可能性

今回は単一のYouTubeチャンネルを監視する基本的なワークフローでしたが、これを発展させることで、より高度なキュレーションサイトを構築できます。zenn+1

例えば、複数のYouTubeチャンネルやRSSフィードを同時に監視し、特定のキーワードやテーマに関連するコンテンツだけを自動収集する仕組みも作れます。note+1

また、AIによるコンテンツの分類やフィルタリングを追加すれば、より質の高い情報だけを選別して発信できます。例えば、OpenAIに「この動画内容は私のブログのテーマに関連しているか判定してください」と尋ね、関連度が高いものだけ記事化するといった処理も可能です。note

さらに、生成した記事を投稿前に人間がレビューする仕組みを組み込むことで、品質管理も強化できます。例えば、記事を下書きとして保存し、SlackやLINEに通知を送ってレビューを促すようなフローです。zenn+1

次のステップ

当面の課題は、日本語出力のクオリティを高めることと、複数のコンテンツソースを統合した本格的なキュレーションサイトへの拡張です。zenn+1

n8nには1700以上のテンプレートがあり、様々なユースケースに対応したワークフローが公開されています。これらを参考にしながら、自分のニーズに合わせたカスタマイズを進めていく予定です。unikoukokun+1

また、今回はWordPressへの投稿でしたが、noteやZennといった他のプラットフォームへの自動投稿にも対応させることで、より広範囲な情報発信が可能になります。note+1

AIと自動化を組み合わせることで、個人でも大規模なメディア運営が可能な時代になりました。n8nのようなツールを使いこなせれば、LLM無職として独立した後も、継続的な情報発信と収益化の基盤を構築できるはずです。

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